アラキドン酸による旨味って?
アラキドン酸とは、四個の二重結合をもつ、不飽和脂肪酸と呼ばれている、固まりにくい脂肪酸の一種で、マーガリンなどに多く含まれている、リノール酸から合成されるもので、ビタミンFとも呼ばれています。
アラキドン酸は調節ホルモンのもととなり、血圧や、免疫など身体の調節をする重要な働きをします。
また、人間の身体の中では作ることができません。
アラキドン酸は必須脂肪酸と呼ばれる、人間が必要とする物質の1つで、食べ物を食べるなどして、取り込む必要があります。
魚、肉など幅広い食品などに含まれているのです。
その中でも特に、レバーや、卵白などに多く含まれていて、血液をさらさらにする効果があり、その他にも、肝臓の働きをアップさせたり、血管の動脈が縮まってしまうことを防止したり、また、コレステロールの値を低くさせたりするといった効果があります。
妊婦さんのお腹の中にいる胎児や、産まれたばかりの赤ちゃんがすくすくと育つためには、アラキドン酸は特に欠かせない物質のひとつだと言われているのです。
また、多くの脂肪酸の中でも、アラキドン酸には、旨味とかかわっていることが、知られるようになってきました。
最新の研究では、地鶏の中でもブランドとして有名な、比内地鶏のおいしさの秘密が、アラキドン酸にあることが分かってきました。
大手企業の研究によると、比内地鶏のエサとなる飼料に、アラキドン酸が多く含まれているもの、その他の油などを加えたものを用意して、それぞれ別の鶏に与えてみる、という実験を行ったところ、アラキドン酸を多く含む飼料を食べた比内地鶏から取ったスープが、もっとも旨味が強くなっており、味が濃くなったことが確認されたのです。
比内地鶏がおいしいと感じる理由は、アラキドン酸によることが分かったのです。
そして、アラキドン酸を多く比内地鶏に摂らせることで、より、肉の味の旨味が強くなり、おいしくなることが分かったのです。